これだけ世が荒れていると、流石に危機意識を持つ人の数が増えてきます。
弊店でも、月1~2件くらいそういった相談が入ります。
そう多くの人がご覧になるブログでもありませんが、家族経営の町米屋としての立場で考えてまとめてみます。長くなるので、何回かに分けます。
皆さん、備蓄を考える前に、まずは米の栽培と消費サイクルを考えましょう。
米の種まきはいつ頃ですか?
米の収穫時期はいつ頃ですか?
米は年に何回収穫出来ますか?
米が傷む時期はいつですか?
これをしっかり調べる(ググれば5分で分かります)だけでも、大分考え方が変わると思います。考え方が変わるというか、現実的になってくるという感じですかね。
例えば、つい先日も「備蓄しておくから玄米を100キロ売ってくれ!」という人が見えました。これについて一概に否定するわけではないですし、危機意識が全くない人やバイアスがかかって真面目に考えられない人よりは鋭い人だと思います。
しかしながら、先の栽培サイクルを踏まえて考えると、米屋としては…
「もう少しで新米収穫時期ですよ」
という回答になるわけです。令和4年産米の生育状況(極度の不作見通しか否かくらいで良い)を多少なりとも調べて、鮮度の良いもので揃えたらいかがですか?ということです。
こんな人もいました。
令和3年産米の新米流通が始まって少し経った頃(昨年末くらい)に「今年は米が無くなるかもしれないから、来年の新米まで食べる分の玄米を売ってくれ!」と仰る。
栽培サイクルを加味して考えると、米屋としては…
「米は原則一毛作ですから、現時点(新米開始後)で不作の情報がない以上、一年分の米は収穫出来ているんですよ」
という回答になります。
なんだか意地悪な回答に聞こえますか?
でも、米屋は米屋で過去の経験があるからこういう回答をするんです。
東日本大震災の時にも似たような事例がありました。
スーパーから米がなくなっているのは一時的なものだからと言っているのに、沢山の玄米を買い込んで夏場に駄目にしてしまって(虫とカビ)、なんとかしてくれと後で文句を言われたり、一番安い米をまとめて売ってくれと言って大量に買い込んだのに、暫く経って違う米が食べたいから交換してくれと言われたり。
今回の結論です。
米の生産・消費サイクルに関する最低限の知識を得ましょう
長期保管する際の米の品質劣化リスクについて知りましょう
次回のテーマは「備蓄するならいくつかのリスクは呑んで、覚悟を決めよう」です。
Commentaires