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  • 執筆者の写真本田商店

一般家庭で出来る現実的な米の備蓄について考える②~備蓄するならリスクも取って覚悟を決める~

家族経営の町米屋が考える「お米の備蓄」シリーズ。第2回です。



初回は一般常識的な話をまとめました。今回から少し内容が濃くなります。


 

お米を備蓄するということは、長期保管するということです。

お米の長期保管のリスクはどういったものが考えられるでしょうか?


  • 味が落ちる?

  • 腐る?


皆さんは他に何が思いつきましたか?

私が思いつくところではこんな感じです。


  • カビが生える→食べられなくなる

  • 虫が湧く→食べられないことは無いが、気持ち悪い

  • 古米化する(一概に原因を特定するものではないが、総合的に食味が落ちる)


カビは、保管場所の温度が25度前後かつ湿度が70~80%近くになる日が続くと発生しやすくなります。蒸し暑い日が続いたら発生しやすくなるわけです。

一度発生したカビを死滅させるのはなかなか難しく、発生後の条件次第で進行が早まるか否かという話になります。うちでは6月くらいから警戒し始めます。外側の玄米層の一部が侵食されたくらいなら精米した際に糠と一緒に排除されてしまいますが、その度合いによっては食べられないくらいに広がってしまうこともあります。

また、見て明らかに分かるレベルになっている場合は、その後の影響も考えて精米自体を諦めます。カビの胞子が精米ラインに残る可能性がありますので。


虫は、保管場所の温度が常時23度前後になってくると活動が活発になります。

卵の状態で玄米に混ざっていたものが孵化したり、休眠状態だったものが動き出したりします。米につく虫の代表格は「コクゾウムシ」「コクヌストモドキ」「ノシメマダラメイガ」です(あとは、保管状況によってはゴキブリやアリの被害も無くはないでしょう)。はじめの2つは這う虫で、3つめは蛾です。蛾なので、小さな芋虫から羽化して最終的には小さな蛾になります。これらの虫は、発生したところで食べられなくなるものではありません。また、米を天日干しすれば退散する場合が殆どです。

また、ノシメマダラメイガは外部から飛来して米に混入する場合が少なくありませんが、これらの虫は初めから玄米に混ざっていると考えた方が良いと思います。色々な条件が重なって気付かないだけと思って下さい。虫が活発に活動し始める前に、精米して食べ終わっているという理解で良いと思います。過剰に毛嫌いしないで下さい。野菜にも虫が付くではありませんか。



「古米化」というのは複合的なものだと思いますので、一概にこれとは言えません。

保管状況によって、酸化・におい移り・過乾燥などの様々な要因によって味が落ちます。「なんか美味しくない」状態です。



 

仮に1年分の米を購入したとしても「これで安心だ!」とお考えになるのは尚早です。

全国すべての米屋さんに共通するとは言いませんが、購入した米はたとえ手付かずの玄米であっても返品は出来ないものと考えて下さい。すなわち、1年分買ったのなら1年間それを食べて下さい。




今回の結論です。


  • 今後の情勢をよく読み、買って後悔しない量をよく検討する

  • 何事もなく時が過ぎた場合は「良かったね」で済ませる

  • 米の劣化や虫の発生は、あって当然という常識的な認識を持つ


なんにせよ、ご自身で決定し、決めた以上は購入元に文句は言わないで下さい。

米は他の食材に比べて長期保管性に優れますが、缶詰ではありませんから劣化します。




次回のテーマは「お金を払って米屋に保管してもらおうは現実的か?」です。

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